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経済

貿易統計 — 輸出入の動向と貿易収支

最終更新: 2026年3月29日

財務省が公表する貿易統計の最新データを要約。2025年の年間貿易収支と2026年2月の速報値をもとに、日本の輸出入動向を解説します。

財務省が毎月公表する「貿易統計」の最新データを要約します。この記事では、2025年の年間貿易統計(2026年1月22日公表)および2026年2月分速報(2026年3月18日公表)をもとに、日本の輸出入動向と貿易収支を解説します。

目次

貿易統計とは

貿易統計は、財務省が税関の通関データをもとに作成する日本の輸出入に関する基幹統計です。輸出額・輸入額・貿易収支(差引額)を品目別・地域別に集計し、毎月速報値を公表しています。

貿易統計はGDPの算出にも使われる重要な経済指標であり、日本経済の対外取引の実態を把握するうえで欠かせないデータです。

要点

  • 2025年の貿易収支は ▲2兆6,507億円 の赤字で、5年連続の貿易赤字だが赤字幅は前年比 52.9%縮小
  • 2025年の輸出額は 110兆4,480億円(前年比 +3.1%)で、5年連続の増加・過去最高
  • 2025年の輸入額は 113兆987億円(同 +0.3%)で、エネルギー価格下落により伸びが鈍化
  • 対米輸出は自動車を中心に ▲4.1% と5年ぶりの減少
  • 2026年2月速報では輸出 9兆5,716億円(前年同月比 +4.2%)、2ヵ月ぶりの貿易黒字

貿易収支の推移

年間の輸出額・輸入額と貿易収支(兆円)の推移です。2022年に資源価格高騰で赤字が急拡大しましたが、その後は縮小傾向にあります。

主要数値

2025年 年間貿易統計(速報)

項目 金額 前年比
輸出額 110兆4,480億円 +3.1%
輸入額 113兆987億円 +0.3%
貿易収支 ▲2兆6,507億円 赤字幅52.9%縮小

地域別貿易動向(2025年)

地域 輸出額 輸出伸び率 輸入額 輸入伸び率 差引額
米国 20兆4,140億円 ▲4.1% 12兆8,926億円 +1.6% +7兆5,214億円
EU 10兆932億円 +1.3% 12兆7,296億円 +6.4% ▲2兆6,364億円
アジア 59兆9,060億円 +5.3% 55兆7,104億円 +3.3% +4兆1,956億円
中国 18兆7,795億円 ▲0.4% 26兆6,942億円 +5.5% ▲7兆9,147億円

主要品目(2025年)

輸出(増加品目)

品目 前年比 寄与度
半導体等電子部品 +8.2% +0.5
食料品 +16.2% +0.2
原動機 +5.6% +0.2

輸入(増加品目)

品目 前年比 寄与度
電算機類(含周辺機器) +18.1% +0.5
通信機 +11.7% +0.4
原動機 +17.2% +0.3

輸入(減少品目)

品目 前年比 寄与度
原粗油 ▲11.5% ▲1.1
石炭 ▲26.3% ▲1.1
液化天然ガス ▲8.5% ▲0.5

2026年2月速報

項目 金額 前年同月比
輸出額 9兆5,716億円 +4.2%
輸入額 9兆5,143億円 +10.2%
貿易収支 573億円 2ヵ月ぶりの黒字

解説

5年連続の貿易赤字だが改善傾向

2025年の貿易収支は▲2兆6,507億円と5年連続の赤字となりました。しかし赤字幅は前年の▲5兆6,285億円から約半分に縮小しています。2022年に資源価格高騰で▲20兆3,295億円まで膨らんだ赤字は、3年連続で縮小しています。

輸出額は110兆4,480億円と過去最高を更新し、5年連続の増加となりました。ただし数量指数は前年比▲0.1%と4年連続の減少で、金額の増加は主に円安による押し上げ効果です。2025年の為替レートは1ドル=149.69円(前年比0.8%の円高)でした。

輸出:半導体が牽引、対米輸出は自動車で減少

2025年の輸出を品目別にみると、半導体等電子部品(+8.2%)が最大の押し上げ要因となりました。食料品(+16.2%)の増加も目立ちます。一方、鉄鋼(▲10.5%)や自動車(▲1.7%)は減少しました。

地域別では、最大の輸出先であるアジア向けが59兆9,060億円(+5.3%)と堅調でした。対米輸出は20兆4,140億円(▲4.1%)と5年ぶりに減少し、自動車(▲11.4%)の落ち込みが大きく影響しました。対中国輸出は18兆7,795億円(▲0.4%)とほぼ横ばいですが、半導体等製造装置(▲12.2%)の減少が続いています。

輸入:エネルギー減少、デジタル関連が増加

輸入はエネルギー関連と非エネルギーで対照的な動きとなりました。原粗油(▲11.5%)、石炭(▲26.3%)、液化天然ガス(▲8.5%)がいずれも減少し、資源価格の下落を反映しています。

一方、電算機類(+18.1%)や通信機(+11.7%)などデジタル関連の輸入が大幅に増加しました。AI需要の拡大やスマートフォンの新機種投入が背景にあります。

対中貿易赤字が拡大

対中国の貿易赤字は▲7兆9,147億円と前年から22.7%拡大しました。中国からの電算機類(+18.2%)や通信機(+11.9%)の輸入増加が主因です。一方、対中輸出は半導体等製造装置の減少が続き、全体で▲0.4%と微減となりました。

2026年2月速報:貿易収支は573億円の黒字

直近の2026年2月速報では、輸出が9兆5,716億円(前年同月比+4.2%、6ヵ月連続増加)、輸入が9兆5,143億円(同+10.2%)となり、差引573億円と2ヵ月ぶりの黒字でした。輸出では半導体等電子部品(+25.1%)が引き続き好調です。為替レートは1ドル=155.65円と前年同月比0.7%の円安でした。

出典

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