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人口

将来推計人口 — 少子高齢化の見通し

最終更新: 2026年3月16日

国立社会保障・人口問題研究所の令和5年推計をもとに、2070年までの人口減少と高齢化の見通しを要約・解説します。

国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が2023年4月に公表した「日本の将来推計人口(令和5年推計)」の主要データを要約します。2020年国勢調査を基準に、2070年までの人口推移を出生中位・死亡中位仮定で解説します。

目次

将来推計人口とは

将来推計人口は、国勢調査の確定数を基準に、出生・死亡・国際人口移動について一定の仮定を設けて算出される将来の人口推計です。社人研がおおむね5年ごとに公表しており、年金・医療・介護など社会保障制度の設計や、国土計画・地方創生施策の基礎資料として広く利用されています。

令和5年推計の主な前提は以下の通りです。

  • 基準人口 — 2020年国勢調査の確定数
  • 推計期間 — 2021年〜2070年(長期参考推計は2120年まで)
  • 出生仮定(中位) — 合計特殊出生率が2070年に1.36に収束
  • 死亡仮定(中位) — 平均寿命が2070年に男性85.89年、女性91.94年に到達
  • 国際人口移動 — 外国人の入国超過を年間約16.4万人と仮定

要点

  • 総人口は2056年に 1億人を割り、2070年には 約8,700万人 に減少する見通し
  • 高齢化率(65歳以上の割合)は2020年の28.6%から2070年には 38.7% に上昇
  • 65歳以上人口は 2043年に約3,953万人でピーク に達した後、減少に転じる
  • 生産年齢人口(15〜64歳)は2070年に 約4,535万人 と、2020年から約4割減少
  • 2070年には現役世代(15〜64歳)1.3人で高齢者1人 を支える構造になる

総人口の将来推移

出生中位・死亡中位仮定による総人口の推移です。2020年の約1億2,615万人から50年間で約3割減少する見通しです。

総人口(万人) 2020年比
2020年 12,615
2030年 12,012 ▲4.8%
2040年 11,284 ▲10.6%
2050年 10,469 ▲17.0%
2056年 9,965 ▲21.0%(1億人割れ)
2060年 9,615 ▲23.8%
2070年 8,700 ▲31.0%

※ 前回推計(平成29年推計)では1億人割れは2053年と見込まれていたが、外国人の入国超過数増加を反映し3年遅くなった

年齢3区分別人口の推移

年少人口(0〜14歳)・生産年齢人口(15〜64歳)・老年人口(65歳以上)の構成比推移です。

年少人口(0〜14歳) 生産年齢人口(15〜64歳) 老年人口(65歳以上)
2020年 1,503万人(11.9%) 7,509万人(59.5%) 3,603万人(28.6%)
2030年 1,240万人(10.3%) 7,076万人(58.9%) 3,696万人(30.8%)
2040年 1,142万人(10.1%) 6,213万人(55.1%) 3,929万人(34.8%)
2050年 1,041万人(9.9%) 5,540万人(52.9%) 3,888万人(37.1%)
2060年 893万人(9.3%) 5,078万人(52.8%) 3,644万人(37.9%)
2070年 798万人(9.2%) 4,535万人(52.1%) 3,367万人(38.7%)

高齢化率の見通し

65歳以上人口の割合(高齢化率)は上昇を続け、2070年には約4割に達します。

主要数値

出生率と平均寿命の仮定

指標 2020年(実績) 2070年(中位仮定)
合計特殊出生率 1.33 1.36
平均寿命(男性) 81.58年 85.89年
平均寿命(女性) 87.72年 91.94年

※ 中位仮定では出生率は2023年に1.23まで低下した後、緩やかに上昇して1.36に収束すると見込む

高齢者を支える現役世代の比率

現役世代(15〜64歳)÷ 高齢者(65歳以上)
2020年 2.1人で1人を支える
2040年 1.6人で1人を支える
2070年 1.3人で1人を支える

出生仮定別の総人口(2070年)

仮定 2070年の総人口 2070年の出生率
出生高位 約9,549万人 1.64
出生中位 約8,700万人 1.36
出生低位 約7,761万人 1.13

解説

50年で3割減少する人口

日本の総人口は2020年の約1億2,615万人から、2070年には約8,700万人へと約31%減少する見通しです。2056年には1億人を割ります。前回推計(平成29年推計)と比較すると、外国人の入国超過数の増加(年間約6.9万人→約16.4万人)を反映し、1億人割れの時期は3年遅くなりましたが、人口減少の大きなトレンドに変わりはありません。

高齢化率は4割に迫る

高齢化率は2020年の28.6%から2070年には38.7%に達します。65歳以上人口は2043年に約3,953万人のピークを迎えた後は減少に転じますが、総人口の減少ペースがそれを上回るため、高齢化率は上昇を続けます。2070年には約2.6人に1人が65歳以上となる社会が見込まれています。

生産年齢人口の急減

15〜64歳の生産年齢人口は2020年の約7,509万人から2070年には約4,535万人へと、約4割減少します。2032年に7,000万人を割り、2043年に6,000万人を割り、2062年に5,000万人を割ると推計されています。この急減は労働力供給や社会保障の支え手の減少に直結し、経済・財政への影響が大きい課題です。

少子化の長期化

出生中位仮定では合計特殊出生率は2070年に1.36に収束する見通しです。前回推計の長期仮定(1.44)から引き下げられており、少子化のトレンドがより厳しく見積もられています。年少人口(0〜14歳)は2020年の約1,503万人から2070年には約798万人へとほぼ半減します。

前回推計との比較

前回の平成29年推計と比較した主な変化点は以下の通りです。

  • 1億人割れの時期 — 2053年→2056年(3年遅延)
  • 出生率の長期仮定 — 1.44→1.36(引き下げ)
  • 外国人入国超過 — 年間約6.9万人→約16.4万人(大幅増)
  • 2070年の総人口 — 前回推計(2065年に8,808万人)と比べ、外国人増加が人口減少をやや緩和

外国人の流入増が1億人割れを遅らせる一方、出生率仮定の引き下げにより長期的な人口減少の見通しは依然として厳しい状況です。

出典

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