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住民基本台帳人口移動報告 — 東京一極集中と人口移動

最終更新: 2026年3月20日

総務省の住民基本台帳人口移動報告をもとに、都道府県間の転入・転出の状況と東京圏への一極集中の実態を解説します。

総務省統計局が毎年公表する「住民基本台帳人口移動報告」の最新データを要約します。この記事では、2025年(令和7年)の年間結果をもとに、都道府県間の人口移動と東京圏への一極集中の実態を解説します。

目次

住民基本台帳人口移動報告とは

住民基本台帳人口移動報告は、住民基本台帳の届出に基づき、国内の人口移動の状況をまとめた統計です。総務省統計局が毎月・毎年公表しており、都道府県・市区町村間の転入・転出の動向を把握するための基礎資料として活用されています。

主な指標は以下の通りです。

  • 転入超過数 — 転入者数が転出者数を上回った人数(マイナスの場合は転出超過)
  • 都道府県間移動者数 — 都道府県の境界を越えて住所を移した人数
  • 3大都市圏 — 東京圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)、名古屋圏(愛知県・岐阜県・三重県)、大阪圏(大阪府・兵庫県・京都府・奈良県)

要点

  • 2025年の東京圏の転入超過数は 12万3,534人 で、前年比 1万2,309人の縮小
  • 東京都の転入超過は 6万5,219人 で、前年比 1万4,066人の縮小(4年ぶりに減少)
  • 転入超過は 7都府県 のみで、40道府県 が転出超過
  • 都道府県間移動者の約44%を 20〜29歳 が占め、若年層の都市集中が続く
  • 外国人の移動者数は前年比 +9.5% と増加が続く

東京圏の転入超過数の推移

東京圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)の転入超過数の推移です。コロナ禍(2020〜2021年)に大幅に縮小したあと回復傾向にありましたが、2025年は再び縮小に転じました。

転入超過数(人) 前年比
2015年 127,623
2016年 125,282 ▲2,341
2017年 125,530 +248
2018年 139,868 +14,338
2019年 148,783 +8,915
2020年 99,243 ▲49,540
2021年 81,699 ▲17,544
2022年 99,519 +17,820
2023年 126,515 +26,996
2024年 135,843 +9,328
2025年 123,534 ▲12,309

主要数値

全国の移動者数(2025年)

区分 移動者数 前年比
市区町村間移動者数 519万548人 ▲0.3%
都道府県間移動者数 251万5,731人 ▲0.3%
都道府県内移動者数 267万4,817人 ▲0.4%
国外からの転入者数 78万2,165人 +6.3%
国外への転出者数 40万9,592人 +10.2%

※ 2026年2月3日公表

転入超過の都府県(2025年)

都府県 転入超過数(人) 前年比(人)
東京都 65,219 ▲14,066(縮小)
神奈川県 28,052 +1,089(拡大)
埼玉県 22,427 +691(拡大)
大阪府 15,667 ▲1,181(縮小)
千葉県 7,836 ▲23(縮小)
福岡県 5,136 +976(拡大)
滋賀県 353 +673(転出超過から転換)

※ 転入超過は上記7都府県のみ。残りの40道府県は転出超過

転出超過が多い道県(2025年)

道県 転出超過数(人)
広島県 ▲9,921
福島県 ▲7,197
静岡県 ▲6,711
新潟県 ▲6,379

3大都市圏の比較(2025年)

都市圏 転入超過数(人) 前年比(人) 状況
東京圏 123,534 ▲12,309 転入超過(縮小)
名古屋圏 ▲12,695 +6,161 13年連続転出超過(縮小)
大阪圏 8,742 +6,063 3年連続転入超過(拡大)

年齢別の東京圏転入超過(日本人・2025年)

年齢層 転入超過数(人) 傾向
15〜19歳 21,469 16年連続転入超過
20〜24歳 80,443 16年連続転入超過
25〜29歳 23,546 16年連続転入超過
55〜59歳 ▲3,051 16年連続転出超過
60〜64歳 ▲4,562 16年連続転出超過
65〜69歳 ▲2,900 16年連続転出超過

解説

東京一極集中は続くも縮小傾向

東京圏の転入超過数は12万3,534人で、日本人の移動に限ると11万2,738人です。日本人の東京圏転入超過は1996年以降30年連続で続いていますが、2025年は前年比6,599人の縮小に転じました。コロナ禍で一時的に縮小したあと2022年から回復傾向にありましたが、2025年は再び縮小しています。

東京都の転入超過が大幅に縮小

東京都の転入超過は6万5,219人で、前年から1万4,066人減少しました。特に注目されるのは外国人の動きで、東京都は外国人で378人の転出超過に転じました(前年は8,722人の転入超過)。東京都の生活コストの上昇が、外国人の居住地選択にも影響を与えている可能性があります。

若年層が移動の中心

都道府県間移動者の約44%を20〜29歳が占めています。東京圏への転入超過は20〜24歳が8万443人と突出しており、進学・就職を機に上京する若者の流れが続いています。一方、55歳以上の年齢層では東京圏からの転出超過が16年連続で続いており、退職前後の地方移住が定着しています。

大阪圏の転入超過が拡大

大阪圏は3年連続の転入超過で、2025年は8,742人と前年から6,063人拡大しました。日本人男性に限ると、大阪圏は1972年以来53年ぶりの転入超過となりました。2025年の大阪・関西万博の開催や関連するインフラ整備が人口移動に影響を与えた可能性があります。

40道府県が転出超過

転入超過はわずか7都府県にとどまり、40道府県が転出超過です。転出超過が多い広島県(▲9,921人)、福島県(▲7,197人)、静岡県(▲6,711人)は、いずれも数千人規模で人口が流出しています。地方の人口流出は少子化と合わせて地域の持続可能性に関わる課題です。

外国人の移動者数が増加

外国人の市区町村間移動者数は66万2,294人で前年比9.5%増と、国内の人口移動における外国人の存在感が高まっています。ただし、東京圏への外国人の転入超過は1万796人で前年比5,710人の縮小となっており、外国人の居住地が東京圏以外にも分散する傾向がみられます。

出典

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