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労働

毎月勤労統計 — 賃金の動向

最終更新: 2026年3月16日

厚生労働省が毎月公表する毎月勤労統計調査から、現金給与総額・実質賃金・所定内給与の最新動向を解説します。

厚生労働省が毎月公表する「毎月勤労統計調査」の最新データを要約します。この記事では、2026年1月分の速報値と2025年の年間結果をもとに、日本の賃金動向を解説します。

目次

毎月勤労統計調査とは

毎月勤労統計調査は、厚生労働省が常用労働者5人以上の事業所を対象に毎月実施する調査です。賃金・労働時間・雇用の動向を把握するための基幹統計であり、景気判断や政策立案の基礎資料として利用されています。

主な指標は以下の通りです。

  • 現金給与総額(名目賃金) — きまって支給する給与と特別に支払われた給与の合計
  • 所定内給与 — 労働契約で定められた所定労働時間に対する給与
  • 実質賃金指数 — 名目賃金を消費者物価指数で割った、賃金の実質的な購買力を示す指標

基準年は2020年(2020年平均 = 100)です。

要点

  • 2026年1月の現金給与総額は 301,314円(前年同月比 +3.0%)で、堅調な伸びが継続
  • 実質賃金は前年同月比 +1.4% と、物価上昇の鈍化を受けてプラスに転じた
  • 所定内給与は 269,198円(前年同月比 +3.0%)で、基本給の引き上げが反映
  • 2025年の年間では名目賃金が +2.3% 増加した一方、実質賃金は -1.3% と3年連続のマイナス
  • パートタイム労働者の時間当たり給与は 1,447円(前年同月比 +3.7%)と高い伸び

名目賃金の前年同月比推移

現金給与総額(事業所規模5人以上)の前年同月比(%)推移です。2025年前半は賞与の変動で上下がありましたが、年間を通じて名目賃金はプラスを維持しています。

主要数値

2026年1月(速報値)

指標 金額 前年同月比
現金給与総額(就業形態計) 301,314円 +3.0%
きまって支給する給与 289,018円 +3.0%
所定内給与 269,198円 +3.0%
特別に支払われた給与 12,296円 +3.8%

就業形態別

区分 現金給与総額 前年同月比 所定内給与 前年同月比
一般労働者 389,218円 +3.3% 344,498円 +3.2%
パートタイム労働者 111,923円 +2.6% 106,963円 +2.9%
パート時間当たり給与 1,447円 +3.7%

実質賃金指数(2020年平均 = 100)

指標 指数 前年同月比
実質賃金(持家の帰属家賃を除く総合で実質化) 82.3 +1.4%
実質賃金(総合で実質化) 83.9 +1.6%

2025年 年間結果(速報値)

指標 金額 前年比
現金給与総額(就業形態計) 355,919円 +2.3%
きまって支給する給与 287,436円 +2.0%
所定内給与 267,551円 +2.0%
特別に支払われた給与 68,483円 +3.8%

実質賃金(2025年 年間)

指標 指数 前年比
実質賃金(持家の帰属家賃を除く総合で実質化) 98.0 -1.3%
実質賃金(総合で実質化) 99.8 -0.8%

名目賃金の年次推移

現金給与総額(前年比) 実質賃金(前年比) 消費者物価指数(前年比)
2020年 -1.2% -1.2% +0.0%
2021年 +0.3% +0.6% -0.3%
2022年 +2.0% -1.0% +3.0%
2023年 +1.2% -2.5% +3.8%
2024年 +2.8% -0.3% +3.2%
2025年(速報) +2.3% -1.3% +3.7%

※ 実質賃金は消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)で実質化した値 ※ データ公表日: 2026年3月9日(2026年1月分速報)、2026年2月9日(2025年分速報)

解説

名目賃金は堅調に推移

2026年1月の現金給与総額は301,314円で、前年同月比 +3.0% となりました。一般労働者の所定内給与が +3.2% と高い伸びを示しており、2025年の春闘賃上げ(連合集計で +5.10%)の効果が引き続き反映されています。

2025年の年間では現金給与総額が前年比 +2.3% と、2024年の +2.8% からはやや鈍化したものの、30年ぶりの高い伸びが続いています。

実質賃金は2026年1月にプラス転換

2025年は年間を通じて実質賃金がマイナスとなり、前年比 -1.3% でした。名目賃金の上昇(+2.3%)を消費者物価の上昇(+3.7%)が上回ったためです。

しかし、2026年1月は実質賃金が前年同月比 +1.4% とプラスに転じました。名目賃金の伸び(+3.0%)に対し、消費者物価の上昇率が +1.7% まで鈍化したことが主因です。エネルギー価格の下落(ガソリン暫定税率廃止・電気ガス代支援策の再開)が物価上昇を抑え、賃金の購買力が改善しました。

パートタイム労働者の時給上昇が続く

パートタイム労働者の時間当たり給与は1,447円で、前年同月比 +3.7% と高い伸びが続いています。2025年年間でも +3.8% と一般労働者の所定内給与(+2.5%)を上回っており、最低賃金の引き上げや人手不足を背景にパート時給の上昇が顕著です。

労働時間は減少傾向

2025年の総実労働時間は前年比 -1.4% と減少しました。所定外労働時間(残業時間)は -2.6% と大幅に減少しており、働き方改革の進展が背景にあります。

出典

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