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労働

労働力調査の最新動向

最終更新: 2026年3月16日

総務省統計局が毎月公表する労働力調査の最新データを要約。2026年1月の就業者数・完全失業率・雇用形態別の動向を解説します。

総務省統計局が毎月公表する「労働力調査(基本集計)」の最新データを要約します。この記事では、2026年1月分の月次結果と2025年の年平均結果をもとに、日本の雇用動向を解説します。

目次

労働力調査とは

労働力調査は、日本の就業・不就業の状況を把握するために、総務省統計局が毎月実施している基幹統計調査です。全国約4万世帯の15歳以上の世帯員を対象とし、就業者数・完全失業率などの雇用指標を算出します。

主に以下の指標が注目されます。

  • 就業者数 — 調査期間中に収入を伴う仕事に従事した人の数
  • 完全失業率 — 労働力人口に占める完全失業者の割合。景気判断の重要指標
  • 雇用形態別雇用者数 — 正規・非正規の職員・従業員の内訳

調査結果は原数値と季節調整値の両方で公表されます。完全失業率は季節調整値が一般的に用いられます。

要点

  • 2026年1月の完全失業率(季節調整値)は 2.7% で、前月から0.1ポイント上昇
  • 就業者数は6,776万人で、前年同月比3万人減少。42か月ぶりの減少
  • 正規の職員・従業員は3,687万人で前年同月比57万人増。27か月連続の増加
  • 非正規の職員・従業員は2,155万人で前年同月比37万人減。6か月連続の減少
  • 完全失業者数は179万人で前年同月比16万人増。6か月連続の増加

完全失業率の推移

完全失業率(季節調整値、%)の推移です。2024年は2.4〜2.7%の範囲で推移し、2025年は年平均2.5%と安定していましたが、2026年1月に2.7%へ上昇しました。

主要数値

2026年1月(月次データ)

指標 実数 前年同月比
就業者数 6,776万人 -3万人
雇用者数 6,185万人 +22万人
正規の職員・従業員 3,687万人 +57万人
非正規の職員・従業員 2,155万人 -37万人
完全失業者数 179万人 +16万人
完全失業率(季節調整値) 2.7%
就業率 61.9% +0.2pt
15〜64歳就業率 79.7% ±0pt
非正規割合 36.9% -0.8pt

雇用形態の内訳(2026年1月)

雇用形態 人数 前年同月比 割合
正規の職員・従業員 3,687万人 +57万人 63.1%
パート 1,050万人 +17万人 18.0%
アルバイト 489万人 -18万人 8.4%
契約社員 279万人 -8万人 4.8%
労働者派遣 151万人 -8万人 2.6%
嘱託 108万人 -6万人 1.8%

※ 割合は役員を除く雇用者(5,843万人)に占める比率

主な産業別就業者の増減(2026年1月・前年同月比)

産業 就業者数 前年同月比
建設業 487万人 +30万人
情報通信業 292万人 +17万人
運輸業,郵便業 350万人 +15万人
サービス業(他に分類されないもの) 478万人 +11万人
医療,福祉 930万人 +7万人
製造業 1,024万人 -33万人
生活関連サービス業,娯楽業 229万人 -13万人
学術研究,専門・技術サービス業 263万人 -8万人

2025年 年平均

指標 実数 前年比
就業者数 6,828万人 +47万人(5年連続増加)
雇用者数 6,185万人 +62万人
正規の職員・従業員 3,708万人 +54万人(11年連続増加)
非正規の職員・従業員 2,128万人 +2万人
完全失業率 2.5% 前年と同率
完全失業者数 176万人 前年と同数
就業率(15歳以上) 62.2% +0.5pt
15〜64歳就業率 80.0% +0.6pt
非正規割合 36.5% -0.3pt

※ データ公表日: 2026年3月3日(2026年1月分) ※ 2025年平均結果の要約は2026年1月30日公表

解説

就業者数が42か月ぶりに減少

2026年1月の就業者数は6,776万人で、前年同月比3万人の減少となりました。2022年8月以降続いていた増加傾向が42か月ぶりに途切れた形です。ただし、減少幅は小さく、雇用者数(6,185万人)は22万人増加と47か月連続の増加を維持しています。自営業主・家族従業者が21万人減少したことが就業者全体の減少の主因です。

正規雇用の増加と非正規の減少

正規の職員・従業員数は3,687万人で、前年同月比57万人増加(27か月連続増加)しました。一方、非正規の職員・従業員は2,155万人で37万人減少し、6か月連続の減少です。役員を除く雇用者に占める非正規割合は36.9%と、前年同月から0.8ポイント低下しました。

2025年の年平均でも正規雇用は3,708万人と11年連続で増加しており、雇用の正規化が進んでいることがうかがえます。

完全失業率は2.7%に上昇

完全失業率(季節調整値)は2.7%で、前月(2.6%)から0.1ポイント上昇しました。完全失業者数は179万人で前年同月比16万人増加し、6か月連続の増加です。求職理由別では、「勤め先や事業の都合による離職」が3万人増、「自発的な離職(自己都合)」が5万人増、「新たに求職」が5万人増と、いずれの理由でも増加しています。

ただし、2025年の年平均完全失業率は2.5%と前年と同率であり、雇用環境は依然として安定した水準にあります。

産業別の動向

2026年1月の産業別就業者を前年同月と比べると、建設業(+30万人)、情報通信業(+17万人)、運輸業・郵便業(+15万人)が増加した一方、製造業(-33万人)、生活関連サービス業・娯楽業(-13万人)が減少しました。2025年の年平均では医療・福祉(+25万人)の増加が最大で、高齢化に伴う医療・介護需要の拡大を反映しています。

女性の就業率が上昇

2025年の年平均で15〜64歳の女性就業率は75.3%と、前年から1.2ポイント上昇しました。就業者数も女性は3,126万人で44万人の増加と、男性(3万人増加)を大きく上回っています。女性の正規雇用者数も1,341万人で42万人増加しており、女性の労働参加の拡大が続いています。

出典

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