出入国在留管理庁が公表する「在留外国人統計」の最新データを要約します。この記事では、2024年末現在の確定値をもとに、日本に在留する外国人の人数・国籍・在留資格別の動向を解説します。
目次
在留外国人統計とは
在留外国人統計は、日本に中長期間在留する外国人と特別永住者の人数を集計した統計です。出入国在留管理庁が半年ごと(6月末・12月末時点)に公表しています。3か月以下の短期滞在者(観光客など)は含まれません。
主な集計項目は以下の通りです。
- 国籍・地域別 — 出身国・地域ごとの在留外国人数
- 在留資格別 — 永住者・技能実習・留学・特定技能などの資格別人数
- 都道府県別 — 地域ごとの在留外国人数
要点
- 2024年末の在留外国人数は 376万8,977人 で、前年比 35万8千人増(+10.5%)。3年連続で過去最多を更新
- 国籍別では 中国(87万3千人)が最多。ベトナム(63万4千人)は増加数が最も多い
- 在留資格別では 永住者(91万8千人)が最多。技能実習・技術・人文知識・国際業務・留学 がそれぞれ40万人超
- 特定技能 は28万4千人に達し、制度開始(2019年)以来の急速な増加が続く
- ネパール(23万3千人)が ブラジル を抜いて国籍別5位に浮上
在留外国人数の推移
各年12月末現在の在留外国人数(万人)の推移です。コロナ禍の2020〜2021年に一時減少しましたが、2022年以降は急回復し、過去最多を更新し続けています。
| 年 | 在留外国人数 | 前年比 |
|---|---|---|
| 2015年 | 223万2,189人 | — |
| 2016年 | 238万2,822人 | +15万0,633人 |
| 2017年 | 256万1,848人 | +17万9,026人 |
| 2018年 | 273万1,093人 | +16万9,245人 |
| 2019年 | 293万3,137人 | +20万2,044人 |
| 2020年 | 288万7,116人 | ▲4万6,021人 |
| 2021年 | 276万0,635人 | ▲12万6,481人 |
| 2022年 | 307万5,213人 | +31万4,578人 |
| 2023年 | 341万0,992人 | +33万5,779人 |
| 2024年 | 376万8,977人 | +35万7,985人 |
※ 2020〜2021年はコロナ禍による入国制限の影響で減少
主要数値
国籍・地域別(2024年末現在)
| 順位 | 国籍・地域 | 人数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 1 | 中国 | 87万3,286人 | +5万1,448人 |
| 2 | ベトナム | 63万4,361人 | +6万9,335人 |
| 3 | 韓国 | 40万9,238人 | ▲918人 |
| 4 | フィリピン | 34万1,518人 | +1万9,472人 |
| 5 | ネパール | 23万3,043人 | +5万6,707人 |
| 6 | ブラジル | 21万1,907人 | +67人 |
| 7 | インドネシア | 19万9,824人 | +5万0,723人 |
| 8 | ミャンマー | 13万4,574人 | +4万8,028人 |
| 9 | 台湾 | 7万0,147人 | +5,484人 |
| 10 | 米国 | 6万6,111人 | +2,703人 |
在留資格別(2024年末現在)
| 順位 | 在留資格 | 人数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 1 | 永住者 | 91万8,116人 | +2万6,547人 |
| 2 | 技能実習 | 45万6,595人 | +5万2,039人 |
| 3 | 技術・人文知識・国際業務 | 41万8,706人 | +5万6,360人 |
| 4 | 留学 | 40万2,134人 | +6万1,251人 |
| 5 | 家族滞在 | 30万5,598人 | +3万9,578人 |
| — | 特定技能 | 28万4,466人 | +8万3,832人 |
都道府県別(2024年末現在・上位5都府県)
| 順位 | 都道府県 | 人数 | 全国比 | 前年比 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 東京都 | 73万8,946人 | 19.6% | +7万5,584人 |
| 2 | 大阪府 | 33万3,564人 | 8.9% | +3万2,074人 |
| 3 | 愛知県 | 33万1,733人 | 8.8% | +2万0,888人 |
| 4 | 神奈川県 | 29万2,450人 | 7.8% | +2万4,927人 |
| 5 | 埼玉県 | 26万2,382人 | 7.0% | +2万7,684人 |
解説
3年連続の過去最多更新
在留外国人数は2024年末に376万8,977人となり、3年連続で過去最多を更新しました。前年からの増加数は35万8千人と、1年間で約10%増加しています。日本の総人口(約1億2,380万人)に占める割合は約3.0%に達しています。
コロナ禍からの急回復
2020〜2021年はコロナ禍の入国制限により在留外国人数が減少しましたが、2022年の水際対策緩和以降、急速に回復しました。2022年から2024年の3年間で約100万人増加しており、コロナ前(2019年末の293万人)を大きく上回る水準です。
国籍別の動向
中国が87万3千人で最多ですが、増加数で最も目立つのはベトナム(+6万9千人)、ネパール(+5万7千人)、インドネシア(+5万1千人)、ミャンマー(+4万8千人)です。特にネパールはブラジルを抜いて5位に浮上し、東南アジア・南アジアからの在留者の増加が顕著です。一方、韓国は微減、ブラジルはほぼ横ばいとなっています。
在留資格の多様化
永住者(91万8千人)が依然最多ですが、就労系の在留資格が急増しています。「技術・人文知識・国際業務」(+5万6千人)と「留学」(+6万1千人)の増加が大きく、高度人材と留学生の受入れが拡大しています。
特定技能制度の拡大
2019年に創設された特定技能制度による在留者は28万4千人に達しました。人手不足が深刻な介護・飲食料品製造・建設などの分野で活用が進んでいます。2024年には受入れ上限が引き上げられ、対象分野も拡大されたことで、今後もさらなる増加が見込まれます。
地域的な集中
東京都が73万9千人(全国の19.6%)で圧倒的に多く、上位5都府県で全国の約52%を占めています。一方、地方でも人手不足を背景に外国人材の受入れが拡大しており、全都道府県で在留外国人数が増加しています。