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環境

日本のエネルギー構成 — エネルギー白書2025

最終更新: 2026年3月16日

エネルギー白書2025をもとに、日本の一次エネルギー供給構成と電源構成の推移を解説します。

経済産業省 資源エネルギー庁が公表する「エネルギー白書2025」(令和6年度エネルギーに関する年次報告)および2023年度エネルギー需給実績(確報)をもとに、日本のエネルギー構成の現状と推移を解説します。

目次

エネルギー構成とは

エネルギー構成(エネルギーミックス)とは、電力の発電や熱・動力の供給に使われるエネルギー源の組み合わせのことです。日本のエネルギー政策では、主に以下の2つの観点で構成を把握します。

  • 一次エネルギー供給 — 石油・石炭・天然ガス・原子力・再生可能エネルギーなど、すべてのエネルギー源の供給量と構成比
  • 電源構成 — 発電電力量に占める火力・原子力・再生可能エネルギーの割合

日本は一次エネルギーの約8割を海外からの化石燃料輸入に依存しており、エネルギー自給率はG7の中で最も低い水準にあります。

要点

  • 2023年度のエネルギー自給率は 15.3% で、東日本大震災以降の最高値を更新
  • 電源構成の 非化石電源比率が31.4% に達し、震災以降で初めて30%を超えた
  • 再生可能エネルギーの発電比率は 22.9%(2013年度の10.9%から倍増)
  • 原子力の発電比率は 8.5% に回復(再稼働の進展による)
  • 化石燃料依存度は低下傾向だが、一次エネルギー供給の 約8割 を依然として占める

電源構成の推移

2023年度の発電電力量は9,877億kWhで、2010年度以降の最少となりました。電源別の構成比は以下の通りです。

電源別構成比の詳細(2023年度)

電源 構成比 2013年度 変化
火力合計 68.6% 88.2% ▲19.6pp
 天然ガス(LNG) 32.9%
 石炭 28.3%
 石油等 7.4%
再エネ合計 22.9% 10.9% +12.0pp
 太陽光 9.8%
 水力 7.6%
 バイオマス 4.1%
 風力 1.1%
 地熱 0.3%
原子力 8.5% 0.9% +7.6pp

※ 2013年度は東日本大震災後の原発停止期間中のため、火力の比率が突出して高い

一次エネルギー供給の構成

2023年度の一次エネルギー国内供給は前年度比4.0%減少しました。化石燃料は7.0%減と1991年度以降で最大の減少幅を記録した一方、非化石燃料は11.1%増加しました。

エネルギー源 構成比 前年度比
石油 約36% ▲5.2%
石炭 約25% ▲8.7%
天然ガス 約21% ▲7.9%
再エネ・水力 約13% +6.3%(水力除く)
原子力 約5% +51.7%
化石燃料合計 約82%
非化石エネルギー合計 約18%

※ 非化石エネルギーのシェア(約19.3%)は25年ぶりの高水準

主要数値

エネルギー自給率の推移

年度 エネルギー自給率
2010年 20.3%
2012年 6.7%
2014年 6.4%
2016年 8.3%
2018年 11.8%
2020年 11.2%
2022年 12.6%
2023年 15.3%

※ 2012〜2014年は原発停止の影響で大幅に低下。その後、再エネ拡大と原発再稼働により回復傾向

第7次エネルギー基本計画の目標(2040年度)

指標 2023年度(実績) 2040年度(目標)
再エネ比率(電源) 22.9% 4〜5割程度
原子力比率(電源) 8.5% 2割程度
火力比率(電源) 68.6% 3〜4割程度
エネルギー自給率 15.3% 3〜4割程度

※ 2025年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画に基づく

解説

震災後のエネルギー構成の変化

2011年の東日本大震災と福島第一原子力発電所事故は、日本のエネルギー構成を大きく変えました。震災前に発電量の約25%を占めていた原子力はほぼゼロとなり、その代替として火力発電の比率が約9割まで上昇しました。化石燃料の輸入増加により、エネルギー自給率は2014年度に過去最低の6.4%まで低下しています。

再生可能エネルギーの拡大

2012年の固定価格買取制度(FIT)導入以降、再生可能エネルギーの導入が加速しています。2023年度の再エネ発電比率は22.9%に達し、2013年度の10.9%から10年間で倍増しました。太陽光発電が9.8%と再エネの中で最大のシェアを占め、水力(7.6%)、バイオマス(4.1%)が続きます。風力発電は1.1%にとどまっており、洋上風力を中心とした拡大が今後の課題です。

化石燃料依存の現状

再エネの拡大にもかかわらず、日本の一次エネルギー供給の約8割は依然として化石燃料です。G7諸国の中で最も高い水準にあり、エネルギー安全保障上の課題となっています。特に中東情勢の緊迫化やロシアによるウクライナ侵攻は、化石燃料の調達リスクを改めて浮き彫りにしました。

2040年度に向けた展望

2025年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画では、2040年度の電源構成として再エネ4〜5割、原子力2割、火力3〜4割を目標に掲げています。再エネを初めて最大の電源と位置づけ、原子力も「最大限活用する」方針が明確化されました。2023年度の実績から目標を達成するには、再エネ比率をさらに倍増させる必要があり、太陽光(23〜29%)と風力(4〜8%)の大幅な拡大が求められます。

出典

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