ScaleWhite

経済

法人企業統計 — 企業収益と設備投資の動向

最終更新: 2026年3月20日

財務省の四半期別法人企業統計調査をもとに、全産業の売上高・経常利益・設備投資の動向を解説します。

財務省が四半期ごとに公表する「四半期別法人企業統計調査」の最新データを要約します。この記事では、2025年10-12月期の調査結果(2026年3月3日公表)をもとに、日本企業の収益と設備投資の動向を解説します。

目次

法人企業統計調査とは

法人企業統計調査は、財務省が実施する日本の企業活動に関する基幹統計です。資本金1,000万円以上の営利法人等を対象に、売上高・経常利益・設備投資などの財務データを四半期ごとに調査しています。

GDP速報の2次速報にも利用される重要な統計であり、企業部門の実態を把握するうえで欠かせないデータです。金融業・保険業を除く全産業の数値が基本的な分析対象となります。

要点

  • 2025年10-12月期の経常利益は 30兆270億円(前年同期比 +4.7%)で、過去4番目の高水準
  • 売上高は 400兆6,499億円(同 +0.7%)で、過去2番目の規模
  • 設備投資は 15兆3,865億円(同 +6.5%)と堅調に増加
  • 売上高経常利益率は 7.5% と高水準を維持
  • 非製造業の設備投資が前年同期比 +10.1% と特に強い伸び

経常利益の推移

全産業(金融業・保険業を除く)の経常利益(兆円)の推移です。企業収益は高水準で推移しており、直近5四半期はいずれも前年同期を上回っています。

四半期 経常利益 前年同期比
2024年10-12月期 28兆6,919億円 +13.5%
2025年1-3月期 28兆4,694億円 +3.8%
2025年4-6月期 35兆8,338億円 +0.2%
2025年7-9月期 27兆5,385億円 +19.7%
2025年10-12月期 30兆270億円 +4.7%

※ 金融業・保険業を除く全産業。四半期ごとの金額は季節的な変動を含むため、前年同期比での比較が適切です。

主要数値

売上高(2025年10-12月期)

区分 金額 前年同期比 順位
全産業 400兆6,499億円 +0.7% 過去2番目
製造業 121兆1,952億円 +1.0% 過去3番目
非製造業 279兆4,546億円 +0.5% 過去3番目

経常利益(2025年10-12月期)

区分 金額 前年同期比 順位
全産業 30兆270億円 +4.7% 過去4番目
製造業 11兆3,165億円 +0.9% 過去2番目
非製造業 18兆7,105億円 +7.1% 過去5番目

設備投資(2025年10-12月期)

区分 金額 前年同期比
全産業 15兆3,865億円 +6.5%
製造業 5兆2,458億円 ±0.0%
非製造業 10兆1,408億円 +10.1%

※ 設備投資はソフトウェア投資を含む。順位は2001年7-9月期以降の比較。

売上高経常利益率

区分 2025年10-12月期 前期(7-9月期)
全産業 7.5% 7.3%
製造業 9.3% 8.7%
非製造業 6.7% 6.6%

季節調整済み前期比

項目 前期比
売上高 +0.7%
経常利益 +1.6%
設備投資 +3.5%

解説

企業収益は高水準が続く

2025年10-12月期の経常利益は30兆270億円で、5四半期連続の前年同期比プラスとなりました。季節調整済みの前期比でも+1.6%と増加しており、企業収益は堅調に推移しています。過去4番目の高水準であり、日本企業の収益力は歴史的に見ても高い水準にあります。

製造業は情報通信機械・電気機械が牽引

製造業の経常利益は前年同期比+0.9%と小幅な増加にとどまりました。情報通信機械(+52.9%)や電気機械(+21.8%)が大幅に増益した一方、生産用機械(-25.5%)や輸送用機械(-6.4%)が減益となり、業種間の差が大きくなっています。

非製造業はサービス業・情報通信業が好調

非製造業の経常利益は前年同期比+7.1%と、製造業を上回る伸びとなりました。サービス業(+20.7%)や情報通信業(+20.9%)が2割超の増益を記録しています。一方、卸売業・小売業(-3.3%)や運輸業・郵便業(-9.9%)は減益でした。

設備投資は非製造業が牽引

設備投資は全産業で前年同期比+6.5%と増加しました。製造業は±0.0%と横ばいでしたが、非製造業は+10.1%と力強い伸びを示しています。非製造業では不動産業(+40.7%)や情報通信業(+24.0%)の投資が特に活発でした。季節調整済みの前期比でも+3.5%と増加しており、企業の投資意欲は底堅いといえます。

売上高は過去2番目の水準

売上高は400兆6,499億円で、1954年の統計開始以来、過去2番目の高水準です。製造業・非製造業ともに前年同期を上回りましたが、伸び率は+0.7%と緩やかです。製造業では電気機械(+11.7%)が牽引する一方、石油・石炭(-21.5%)が大幅減となりました。

出典

当サイトの記事は公開データ・統計・レポートをもとに要約・解説したものであり、内容の正確性・完全性を保証するものではありません。正式な情報は各出典元をご確認ください。