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技術

通信利用動向調査 — インターネット利用とテレワーク

最終更新: 2026年3月24日

総務省の令和6年通信利用動向調査をもとに、個人のインターネット利用率・端末保有状況・テレワーク導入率・セキュリティ対策の実態を解説します。

総務省が2025年5月に公表した「令和6年 通信利用動向調査」(調査時点: 2024年8月末)のデータをもとに、個人・企業のインターネット利用実態を要約します。

目次

要点

  • スマートフォンの個人保有率が 80.5% に達し、初めて8割を超えた
  • インターネット利用率は 85.6% で、13〜69歳では各年齢層で9割超
  • 企業のテレワーク導入率は 47.3%(前年比 -2.6pt)で、コロナ後の減少傾向が続く
  • インターネット利用時に不安を感じる人は 71.8% で、若年層の不安が増加
  • 企業のセキュリティ被害は 46.2% と前年(53.9%)から改善

端末の保有状況

スマートフォンの個人保有率は80.5%となり、初めて8割を超えました。世帯保有率は90.5%で9割台を維持しています。

端末 世帯保有率 個人保有率
スマートフォン 90.5% 80.5%
パソコン
携帯電話(非スマホ) 16.8%
モバイル端末全体 87.0%

テレビとスマートフォンの世帯保有率がほぼ同水準に達しました。従来型携帯電話の個人保有率は16.8%まで低下し、スマートフォンへの移行が進んでいます。

インターネットの利用状況

利用率と利用端末

インターネット利用率は全体で85.6%です。13〜69歳の各年齢層で9割を超えています。

スマートフォンでのインターネット利用(74.4%)がパソコン(46.8%)を27.6ポイント上回り、主要なインターネット接続端末となっています。

年代別の利用目的

インターネットの利用目的は年代によって大きく異なります。

年齢層 1位 2位 3位
6〜12歳 動画サイト(77.9%) 検索(56.2%) ゲーム(54.9%)
13〜19歳 SNS(91.8%) 検索(81.6%) 動画(76.8%)
20〜29歳 SNS(95.0%) メール(84.2%) 検索(83.7%)
30〜49歳 SNS(約90%) メール(約87%) 検索(約85%)
50〜69歳 メール(約86%) 検索(約82%) SNS(約81%)
70歳以上 メール(約70%) SNS(約59%) 検索(約57%)

若年層(13〜49歳)ではSNSが最も利用され、50歳以上ではメールが最多です。80歳以上でもSNS利用率は5割を超えています。

SNS利用状況

SNS利用率はインターネット利用者の 81.9%(前年80.8%から上昇)です。

利用目的 割合
知人とのコミュニケーション 87.7%
知りたいことについて情報を探す 64.0%

テレワークの導入状況

企業のテレワーク導入率は47.3%で、前年(49.9%)から2.6ポイント低下しました。令和4年(51.7%)以降、減少傾向が続いています。

導入目的の変化

導入目的は「コロナ対応」(66.0%)が依然最多ですが、前年から減少しています。代わりに「ワークライフバランス向上」(51.6%)や「業務効率性向上」(46.9%)が増加しており、テレワークの位置づけがコロナ対応から働き方改革へ移行しつつあります。

導入目的 割合
新型コロナウイルス感染症への対応 66.0%
勤務者のワークライフバランスの向上 51.6%
業務の効率性(生産性)の向上 46.9%
障害者、高齢者、介護・育児中の社員などへの対応 27.3%

導入企業の 86.3% が「効果があった」と回答しています。個人のテレワーク実施率は28.2%で、実施形態は「在宅」(92.8%)が最多です。

未導入企業の理由は「テレワークに適した仕事がない」(79.3%)が圧倒的に多く、業種特性による導入の壁が明確になっています。

セキュリティ対策の実態

個人の不安

インターネット利用時に不安を感じる人は 71.8% です。13〜39歳の各年齢層で前年から大きく増加しました。

不安の内容 割合
個人情報や利用履歴の漏えい 90.2%
コンピューターウイルスへの感染
架空請求やインターネット詐欺

世帯のセキュリティ対策

何らかの対策を実施している世帯は 95.1% です。

対策内容 実施率
ソフトウェアを最新のものにする 57.6%
端末にパスワードなどを設定する 55.9%
ウイルス対策ソフトをインストールする 44.1%

企業のセキュリティ対策と被害

企業の 97.7% が何らかのセキュリティ対策を実施しています。

対策内容 実施率
端末にウイルス対策プログラムを導入 82.0%
サーバにウイルス対策プログラムを導入 59.5%
ID・パスワードによるアクセス制御 58.9%

セキュリティ被害を受けた企業は 46.2% で、前年の53.9%から7.7ポイント改善しました。被害内容は「標的型メールの送付」(29.1%)が最多で、「ウイルスの発見または感染」(23.6%)が続きます。

企業のクラウド・IoT活用

クラウドサービス

企業のクラウドサービス利用率は 8割超 に達し、約10年で倍増しました。利用企業の88.2%が「効果があった」と回答しています。

利用サービス 利用率
ファイル保管・データ共有 71.0%
社内情報共有・ポータル 57.6%
電子メール 56.8%

利用理由は「場所・機器を選ばずに利用できる」(50.2%)が最多で、「災害時のバックアップ」の回答が前年から大きく増加しています。

IoT・AIの導入

IoT・AIシステムの導入企業は 18.4%(前年16.9%)で、導入予定を含めると29.7%です。産業別では金融・保険業(44.2%)が最も高い導入率を示しています。

解説

スマートフォン中心のインターネット利用

スマートフォンの個人保有率が初めて8割を超え、インターネット接続の主要端末としての地位が確立しました。パソコンとの差は27.6ポイントまで広がり、モバイルファーストの流れが鮮明です。テレビとスマートフォンの世帯保有率がほぼ並んだことは、メディア環境の転換を象徴しています。

テレワークは「定着」から「選別」の段階へ

テレワーク導入率はコロナ禍のピーク後、3年連続で低下しています。ただし導入企業の86.3%が効果を認めており、導入目的も感染症対応からワークライフバランスや生産性向上へ移行しています。未導入企業の79.3%が「適した仕事がない」と回答していることから、導入可能な業種では定着し、それ以外では不要という選別が進んでいます。

若年層に広がるセキュリティ不安

インターネット利用時に不安を感じる人は71.8%で、特に13〜39歳の若年層で前年から大きく増加しました。個人情報漏えいへの懸念(90.2%)が突出しており、デジタルネイティブ世代でもプライバシーリスクへの意識が高まっています。

企業のデジタル活用は段階的に拡大

クラウドサービスの利用率が8割超に定着する一方、IoT・AIの導入率は18.4%にとどまります。クラウドは「当たり前のインフラ」となりつつあり、次の焦点はIoT・AIの本格導入と、それを担う人材の確保に移っています。

出典

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