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経済

景気動向指数 — 景気の現状と先行き

最終更新: 2026年3月29日

内閣府が毎月公表する景気動向指数(CI・DI)をもとに、景気の現状判断と先行きの見通しを解説します。

内閣府が毎月公表する「景気動向指数」の最新データを要約します。この記事では、2026年1月分の改訂値(2026年3月25日公表)をもとに、景気の現状と先行きを解説します。

目次

景気動向指数とは

景気動向指数は、内閣府が景気の現状と先行きを総合的に把握するために作成する経済指標です。生産・雇用・消費など経済活動のさまざまな側面を反映する30の経済指標(採用系列)を統合して算出されます。

2つの指数体系があり、それぞれ役割が異なります。

  • CI(コンポジット・インデックス) — 景気変動の大きさとテンポを示す。現在の主要指標
  • DI(ディフュージョン・インデックス) — 改善している指標の割合(%)で、景気の波及度を示す。参考指標

CIは3つの系列で構成されています。

系列 系列数 役割
先行指数 11系列 景気に数か月先行して動く指標(株価・新規求人数など)
一致指数 10系列 景気とほぼ同時に動く指標(鉱工業生産・有効求人倍率など)
遅行指数 9系列 景気に遅れて動く指標(完全失業率・消費者物価指数など)
  • 基準年 — 令和2(2020)年 = 100
  • 公表時期 — 速報は対象月の翌々月上旬、改訂値はその約2〜3週間後
  • 基調判断 — CI一致指数の動きをもとに、5段階(改善・足踏み・局面変化・悪化・下げ止まり)で景気の基調を判断

要点

  • CI一致指数は 117.9(2026年1月、改訂値)で、前月比 +3.4ポイント の上昇。3か月ぶりの上昇
  • 先行指数は 112.1 で前月比 +1.7ポイント。先行指数の回復基調が継続
  • 基調判断は「下げ止まりを示している」で据え置き
  • 2025年は年央に基調判断が「悪化」に下方修正されたが、後半から回復に転じている
  • 2020年5月の景気の谷以降、新たな景気の山・谷は確定されていない

CI一致指数の推移

CI一致指数(2020年 = 100)の推移です。2024年は112〜116の範囲で一進一退、2025年前半にやや低下した後、後半から回復基調に転じています。

直近の月次推移

年月 CI一致指数 CI先行指数 CI遅行指数
2024年1月 112.9 110.4
2024年4月 114.6 111.1
2024年7月 115.6 109.5
2024年10月 115.7 108.8
2025年1月 116.3 108.3
2025年4月 115.7 104.6
2025年7月 114.3 106.1
2025年10月 115.4 110.0
2026年1月 117.9 112.1 112.2

主要数値

CI(2026年1月分・改訂値)

指数 前月差
先行指数 112.1 +1.7
一致指数 117.9 +3.4
遅行指数 112.2 +0.1

移動平均(2026年1月分・改訂値)

指数 3か月後方移動平均 前月差 7か月後方移動平均 前月差
先行指数 110.7 +1.00 108.9 +0.98
一致指数 115.8 +0.77 115.2 +0.31
遅行指数 112.5 -0.27 112.9 -0.23

基調判断の推移

時期 基調判断
2024年後半 下げ止まり
2025年5月 悪化(下方修正)
2025年10月 下げ止まり(上方修正)
2026年1月 下げ止まり(据え置き)

景気基準日付(直近)

循環 景気の谷 景気の山 景気の谷 拡張期間 後退期間
第15循環 2009年3月 2012年3月 2012年11月 36か月 8か月
第16循環 2012年11月 2018年10月 2020年5月 71か月 19か月

第16循環の景気の谷(2020年5月)以降、新たな山・谷は確定されていません。

解説

2026年1月は3か月ぶりの上昇

CI一致指数は117.9と、前月の114.5から3.4ポイント上昇しました。鉱工業用生産財出荷指数や耐久消費財出荷指数がプラスに寄与しています。3か月後方移動平均も+0.77と上向いており、回復の動きが見られます。

2025年は年央に「悪化」局面

2025年前半はCI一致指数が低下基調をたどり、5月に基調判断が「悪化」に下方修正されました。3か月後方移動平均が3か月連続で下降したことが判断の根拠です。しかし、10月には基調判断が「下げ止まり」に改善され、景気後退の動きに歯止めがかかったと判断されています。

先行指数は回復基調

先行指数は2025年4月の104.6を底に回復が続いており、2026年1月には112.1まで上昇しました。先行指数は景気に数か月先行して動くため、今後の一致指数の改善が示唆されています。

基調判断の5段階

内閣府は、CI一致指数の3か月後方移動平均と7か月後方移動平均の動きをもとに、景気の基調を以下の5段階で判断しています。

基調判断 意味
改善 景気拡張の可能性が高い
足踏み 景気拡張の動きが足踏み
局面変化 景気の山または谷がそれ以前にあった可能性
悪化 景気後退の可能性が高い
下げ止まり 景気後退の動きが下げ止まり

現在の「下げ止まり」は、景気後退の動きが止まったことを意味します。3か月後方移動平均がプラスに転じたことが判断の根拠です。

CIの見方

CI一致指数が上昇しているときは景気の拡張局面、低下しているときは後退局面にあると判断されます。基準年(2020年)を100とした指数であるため、100を超えていれば2020年時点より経済活動が活発であることを意味します。ただし、CIは景気変動の方向性とテンポを示すもので、水準そのものが景気の「良い・悪い」を直接表すわけではありません。

出典

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