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旅行・観光消費動向 — 国内旅行市場の動向

最終更新: 2026年3月20日

観光庁の旅行・観光消費動向調査をもとに、日本人の国内旅行消費額・旅行者数・旅行単価の推移を要約・解説します。

観光庁が公表する旅行・観光消費動向調査の最新データを要約します。この記事では、2025年年間値(速報)をもとに、日本人の国内旅行消費額の動向を解説します。

目次

旅行・観光消費動向調査とは

旅行・観光消費動向調査は、観光庁が四半期ごとに公表する統計調査です。日本人の国内旅行・海外旅行における消費実態を把握するため、全国の世帯を対象にアンケートを実施し、旅行消費額を推計しています。

主な指標は以下の通りです。

  • 国内旅行消費額 — 日本人が国内旅行で支出した金額の合計
  • 国内延べ旅行者数 — 宿泊旅行・日帰り旅行の延べ人数
  • 旅行単価 — 旅行者1人1回あたりの平均支出額

要点

  • 2025年の日本人国内旅行消費額は 26兆7,746億円過去最高 を更新(前年比+6.4%)
  • 2019年(21兆9,312億円)と比較して 約22%増 の水準に到達
  • 旅行単価は 4万8,359円 で過去最高を更新(前年比+3.8%)
  • 宿泊旅行消費額が 21兆7,153億円 で全体の 81.1% を占める
  • 延べ旅行者数は 5億5,366万人(前年比+2.5%)で、コロナ前の水準には未回復

年間旅行消費額の推移

2019年以降の日本人国内旅行消費額(億円)の推移です。2020〜2021年はコロナ禍で大幅に減少しましたが、2022年以降は急回復し、2023年にコロナ前水準を回復、2025年に過去最高を更新しました。

消費額(億円) 前年比 2019年比
2019年 219,312 基準年
2020年 98,982 ▲54.9% ▲54.9%
2021年 91,835 ▲7.2% ▲58.1%
2022年 171,929 +87.2% ▲21.6%
2023年 219,101 +27.4% ▲0.1%
2024年 251,536 +14.8% +14.7%
2025年 267,746 +6.4% +22.1%

宿泊旅行と日帰り旅行の内訳

2025年年間値(速報)

区分 消費額(億円) 構成比 前年比
宿泊旅行 217,153 81.1% +6.8%
日帰り旅行 50,593 18.9% +4.9%
合計 267,746 100% +6.4%

宿泊・日帰り旅行消費額の推移

宿泊旅行(億円) 日帰り旅行(億円) 宿泊比率
2019年 171,560 47,752 78.2%
2020年 77,394 21,588 78.2%
2024年 203,325 48,211 80.8%
2025年 217,153 50,593 81.1%

宿泊旅行の構成比は2019年の78.2%から2025年には81.1%に上昇しており、宿泊旅行への支出集中が進んでいます。

旅行者数の推移

2025年の旅行者数

区分 延べ旅行者数(万人) 前年比
宿泊旅行 30,046 +2.5%
日帰り旅行 25,320 +2.6%
合計 55,366 +2.5%

2019年の延べ旅行者数は約5億8,710万人でした。2025年は5億5,366万人で、コロナ前の水準には 約5.7%及ばない 状況です。旅行者数の回復は消費額の回復に比べて遅れています。

旅行単価の推移

2025年の旅行単価

区分 旅行単価(円) 前年比
全体 48,359 +3.8%
宿泊旅行 72,273 +4.2%
日帰り旅行 19,982 +2.3%

旅行単価の推移

旅行単価は2019年の3万7,355円から2025年には4万8,359円へと 約29%上昇 しています。特に宿泊旅行の単価上昇が顕著で、2019年の5万5,054円から7万2,273円へと 約31%上昇 しました。

四半期別推移(2025年)

2025年の四半期別推移です。7-9月期が最も消費額が大きく、夏の旅行シーズンの影響が見られます。

四半期 消費額(億円) 前年同期比 旅行者数(万人) 旅行単価(円)
1-3月期 56,483 +15.5%
4-6月期 67,453 +5.3%
7-9月期 80,536 +9.0% 16,136
10-12月期 63,022 ▲2.6% 12,757 49,402
  • 1-3月期は前年同期比+15.5%と大きく伸長
  • 7-9月期は8兆円超と四半期として過去最高水準
  • 10-12月期は前年同期比▲2.6%と唯一の減少

解説

26.8兆円で過去最高を更新

2025年の日本人国内旅行消費額は26兆7,746億円となり、前年(25兆1,536億円)を6.4%上回って過去最高を更新しました。コロナ前の2019年(21兆9,312億円)と比較すると22.1%増で、国内旅行市場はコロナ禍の落ち込みから完全に回復し、さらに成長段階に入っています。

旅行単価の上昇が消費額をけん引

消費額の増加要因を分解すると、旅行者数の増加(+2.5%)に対し、旅行単価の上昇(+3.8%)がより大きく寄与しています。宿泊旅行の単価は7万2,273円で、2019年の5万5,054円から約31%上昇しました。宿泊施設の価格上昇や、より高価格帯の宿泊施設の利用増加が背景にあると考えられます。

旅行者数はコロナ前に未回復

延べ旅行者数は5億5,366万人で、2019年の約5億8,710万人には届いていません。消費額が過去最高となったのは、旅行者数の増加よりも単価上昇の影響が大きいためです。人口減少や少子高齢化の影響もあり、今後の旅行者数の動向が注目されます。

宿泊旅行への支出集中

宿泊旅行の構成比は81.1%で、2019年の78.2%から上昇しています。宿泊旅行の単価上昇が日帰り旅行を上回っており、より長く滞在し、より多く消費する旅行スタイルへの変化がうかがえます。

10-12月期の減少

2025年10-12月期は前年同期比▲2.6%と、唯一前年を下回りました。宿泊旅行消費額が▲3.5%と落ち込んだ一方、日帰り旅行消費額は+1.5%と増加しています。前年同期の反動やインフルエンザ等の影響が指摘されていますが、年間では堅調な推移となっています。

出典

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